生細胞超解像イメージング研究チーム

研究テーマ「動物細胞を用いた膜交通研究」

酵母細胞を用いた膜交通研究

膜交通については、動物細胞を用いた研究がもっともよく進んでいます。当研究室でも、動物培養細胞および神経細胞を用いた研究を最近本格的に開始しました。

脊椎動物の細胞では、中心体から放射状に広がる微小管が発達し、ゴルジ体はこの上を中心体方向に運動するダイニンモーターの働きによって集められ、巨大なゴルジリボンを形成します。この性質は、光学顕微鏡による観察には大きな障害となり、ライブイメージングはなかなか進まずにいました。しかし私たちが開発した次世代型SCLIM(SCLIM2)は、このゴルジリボンの中においても、個々の槽を区別して観察し、さらにその間を飛び交う小胞を追跡することが可能です。まだ激しい論争が続くゴルジ体内輸送のメカニズムについて、決定的な証拠を掴むのはSCLIM2になると考えています。

ゴルジ体の入口と出口、つまりシス側とトランス側でどのような選別が行われているのか、また槽間輸送の過程で、積荷とゴルジ停留タンパク質がどのように仕分けられているのか、次世代型SCLIM(SCLIM2)を駆使して、徹底的に解明していく予定です。
また、小胞体出口においても、積荷の種類(たとえばGPIアンカー型タンパク質とそれ以外)による選別が起こっていることを明らかにし、そのメカニズムの研究も進めています(新学術領域研究 「オルガネラゾーン」)。

小胞体—ゴルジ体間輸送についても、小胞体とゴルジ体が遠く離れているように見える動物細胞で、酵母や植物のモデルがそのまま適用できるのかどうか、議論があります。鍵は、中間区画であるERGICにあると考えています。酵母のハグ&キスや植物のGECCOとの比較により、小胞輸送の根本的な原理を明らかにしていきます。

また、高等動物細胞の中でもさらに高次な機能を果たすべく分化した神経細胞において、細胞内局所の膜交通が、細胞運動、形態形成を行うための中心的な役割を果たしていることを、ライブイメージングを駆使して証明していきます。

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