ミーハースポーツ放浪記

ミーハースポーツ放浪記 伊豆のダイビングポイントの中では,大瀬崎が初級者の天国だとすると,中上級者の人気の的は伊豆海洋公園である。日本のダイバーのメッカとも言うべき地で,初めのうちはなかなか連れていってもらえなかったが,確かにここは素晴らしい。複雑な地形の中にさまざまな魚が群れる根がいくつもあり,何度行っても満足しないことがない。エントリーエキジットが難しいが,ボートで沖から入れば大変楽チンである。伊豆半島にはほかにもたくさんのダイビングポイントがあり,私はまだまだ半分も潜っていないが,自分の知る中での好みで言えば,伊豆でハードコーラル(ミドリイシサンゴ)が自生する貴重なポイントである田子の湾内は,チョウチョウウオなどの季節回遊魚が群れる時期は見事だし,ムレハタタテダイの群れに出会うチャンスの多い井田も大好きなポイントである。

 半島を離れ島しょに向かうとまたさらによいスポットがいくつもある。近くでは初島。熱海から20分で渡れる近さだが,黒潮に乗った大型回遊魚に出会うことができ,島の醍醐味を十分に味わわせてくれる。また,やみつきになってしまったのが伊豆大島。透明度,魚群の濃さ,半島側では滅多に得られない好条件がいつでもダイバーを待ち受けてくれる。2 m超級のコロザメを見たのは,大島の野田浜でちょうど50本目を潜っているときだった(浜ちゃんもこんなのは初めて見た!と感激していた)。クジラかと思うほどでかかった。岡田港で,昔は食べられなかったくさやをつまみにビールを引っかけながら帰りの高速船を待つのも一興。そうそう,去年は100頭を超えるハンマーヘッドシャークが群れたことで有名な神子元島は,上級者だけが体験することのできる幻想の世界。私は残念ながらまだ挑戦する勇気がない。そして,三宅島。ミーハースポーツ放浪記2000年の大噴火で島民が避難し,今年の春までずっと無人島であったのはご存じの通り。2月1日に避難命令が解除され,住民の帰島と島の再生が始まった。観光が重要な資源であるこの島の復興には,釣り客やダイバーの来島が欠かせない。まだガスマスク常備が義務づけられる中で,5年間人が入ることのなかったサンゴ礁を見にいこうと言うツアーが企画され,私はこれは絶対逃せない!と速攻で申し込んだ。三宅島,三宅島,とうわごとのようにつぶやきながら待つこと2ヶ月。ついにその日がやってきた8月23日。なんてこったい,台風も島にやってきてしまった。人がこんなに楽しみにしてきたのに,その日にしかも2つもやってくることはないじゃないか!(涙...)

 伊豆礼賛を書いたが,もちろん伊豆ばかりではない。国内では和歌山によいポイントがいくつもあるし,何といっても世界に誇る沖縄諸島がある。もちろん海外にはあこがれの地がメジロ押しである。まだまだ泊まりがけで遠くに足を伸ばす機会は多くなくて,伊豆以外で潜った回数はほんの数えるほどであるが,その一つ一つがまた書き始めたらきりがないほどの思い出を残してくれている。

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